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女性総合外来

女性総合外来とは

 

当院では女性医師による女性の心と体の総合的診療(女性総合外来)を行っています。女性総合外来とは、文字通り女性の体と心をトータルに(総合的に)診る新しい診療スタイルです。 女性のヘルスケア全般の向上を目指しています。

女性は、周期的に女性ホルモンの影響を受けることで体調や心が不安定になりやすく、女性ホルモンの分泌が衰える更年期にはさまざまな心身のトラブルが起こりやすくなるなど、女性の一生は男性と比べてホルモンの支配をずっと強く受けます。男性と女性ではかかりやすい病気が異なるうえ、同じ病気でも症状や薬の作用が大きく異なる、“性差“がみられます。例えば、片頭痛は女性に多い病気で、片頭痛発作は女性ホルモンと関連があり、排卵日や月経初日頃などエストロゲンの急激な変動時に起こりやすいといわれています。

これまで「男性医師には恥ずかしくて相談しにくかった」、「更年期障害などが心配だけど、病気じゃないし、婦人科にいきなりかかるのはちょっと・・・」、「話をしても男性医師には症状のつらさを理解してもらえなかった」、「じっくり話を聞いてもらえなかった」という方は是非一度お話を聞かせてください。男性医師には話しにくいことから、自覚症状があるにもかかわらず、受診することに決心がつかず、結果的に症状を悪化させてしまうこともあります。こうした問題の解決をめざすのが、女性医師による「女性総合外来」です。

現代は働く女性が増え、女性の体はこれまで体験したことがない過度のストレスと疲労にさらされています。現代西洋医学では、内科、外科、眼科、耳鼻科、皮膚科、精神科、産婦人科…と、臓器別に細分化して、人の体をとらえて診療します。しかし、臓器別の診察では、「なんだか調子が悪い。でもなんの病気なのか…、何科を受診したらいいかわからない…」という女性たちの声に応えることが難しいのです。そこで、女性の心と体を全体でとらえ、女性たちが訴える不調に目を向けて、診察する必要性があるのです。たとえば、「生理痛がひどくてつらい」という症状で産婦人科を受診すると、いろいろな検査はしてくれますが、「子宮内膜症」「子宮筋腫」などなどの病名がつかないと、「生理痛は誰にでもあるもの、病気ではありません」「異常ありません」と帰されることもたびたびでした。病気を発見して治療するだけでなく、つらい症状を解消させ、未病のうち(病気になる前)に手立てを打つことも、これからの医療には求められています。

10代の思春期の方~高齢の方まで、女性であればどなたでも女性総合外来を利用することができます。女性のライフサイクルに応じた様々な症状に対して内科医の立場で、近代医学と代替医療両方のニーズにお応えします。女性外来は時間を十分にとるために予約制で受け付けています。診察室はプライバシーを配慮した個室です。  
また、「どの科にかかっていいのかわからない」という方はまずはじっくり話を聞かせて頂き、患者さんの全体像を理解・把握したうえで、その後のかかるべき専門外来への振り分けをする窓口としてもご活用ください。

対応できる症状など

・月経前症候群(生理前の不快感、頭痛、便秘、下痢、イライラなど)
・月経困難症(月経痛などの月経随伴症状)

・更年期障害等(ほてり、のぼせ感、冷え、汗をよくかくなど)
・睡眠障害(眠れない、朝早く目がさめる、夜中に目がさめる、眠りが浅いなど)
・片頭痛・めまい
・動悸
・乳房検診(超音波検査)
・骨粗鬆症検査

月経前症候群(PMS)・月経困難症

最近、ひどい月経痛やPMSのご相談が増えています。月経困難症は月経に随伴して起こる病的症状で,月経時あるいは月経直前より始まる強い下腹部痛や腰痛を主症状として,下腹痛,腰痛,腹部膨満感,嘔気,頭痛,疲労・脱力感,食欲不振,イライラ,下痢および憂うつの順に多くみられます。月経困難症により、学校や職場の欠席、集中力の低下や学業への影響(テストを受けられない,テストで実力を発揮できないなど),スポーツアクティビティへの影響,社会生活への影響などが指摘されています。また、市販の鎮痛薬を使いすぎて胃が痛くなったり、薬剤関連頭痛を悪化させている方が増えています。
当院では子宮内膜症などの器質的疾患がない機能性の月経前症候群、月経困難症や月経関連頭痛について、お一人ずつ詳しく症状や背景を伺い、生活習慣の見直しや漢方薬を含めベストな治療法を考えます。

 

漢方薬は副作用の多い鎮痛剤(ロキソプロフェン、イブプロフェンなどのNSAIDs)の減量や中止も期待できます。2021年に月経困難症及び月経痛に関する当帰湯の複数例における効果を内科学会総会で発表し、著効例について論文に纏めました。

 

Shiho FW et al. Premenstrual Syndrome (PMS) and Dysmenorrhea Successfully Managed with a Japanese Traditional Medicine Tokito: A Case Report and Literature Review. Traditional & Kampo Medicine Early View First published: 20 December 2021

 

更年期障害

1. 更年期とは 
思春期、性成熟期を経て、45歳~55歳くらい(閉経前後の10年間)を「更年期」と言います。

 ●「閉経」とは1年以上無月経(生理が来ない)を確認することで判定します。
日本女性の平均は50.5歳です。
●子宮摘出などで月経での判定ができない場合には、女性ホルモンの値で判定します。
E2(エストラジオール)値:20pg/ml 以下   FSH値:40mIU/ml 以上
上記が認められれば卵巣機能が低下(閉経)していると判定します。
これらの値は血液検査で調べることが可能です。

 

2. 更年期の様々な症状
年齢とともに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれます。ただ、更年期の症状はエストロゲンの減少だけでなく、心理的な要因(仕事や家庭環境など)も複雑に関与するため、個人差が激しく、全身のあらゆる箇所にあらわれます。

 

日本人に多い症状
身体的症状:のぼせや顔の火照り、脈が速くなる、疲れやすい、動悸や息切れ、異常な発汗、血圧が上下する、耳鳴り、頭痛やめまいなど
精神的な症状:興奮亢進、イライラや不安感、うつ、不眠など

 

 

3. 更年期障害の治療と疾患の予防方法
当院では患者さんのご希望に応じて漢方薬のほか、経皮剤(貼り薬)によるホルモン補充療法も積極的に行っています。

女性更年期検診

(女性ホルモン測定、骨粗鬆症検査、脂質代謝異常、乳腺エコー検査など)
※全ての乳腺エコー検査は、乳腺超音波専門資格を有する、女性検査技師が実施します。

担当医師

医師:渡部 志保

女性外来の診察時間

診療時間
午前 9:00~12:00
午後 14:00~18:00

※女性外来は月・木・金の午前診のみ診療を行います。

※女性外来は完全予約制です。受付にお問い合わせください。